問題1 「国民の努力及び義務」として介護保険法第4条に規定されているものはどれか。3つ選べ。
1 常に健康の保持増進に努める。
2 自立した日常生活の実現に努める。
3 その有する能力の維持向上に努める。
4 地域における互助に資する自発的活動への参加に努める。
5 介護保険事業に要する費用を公平に負担する。
正答 1、3、5
解答解説<巻、ページ数表記があるものは7訂テキストを示す>
(1巻P39)(介護保険法の一部抜粋)
1 ○
設問通りである。介護保険法第4条に規定されている。
2 ×
自立した日常生活の実現は求めていない。その有する能力の維持向上に努めることと明記されている。
3 ○
設問通りである。
4 ×
地域の自発的活動への参加は求められない。介護保険を利用する方の多くは、自立的な生活が困難となり、社会的な活動への参加も制限されていることが多い。介護保険による各種サービスを利用することで、社会性の担保も見込まれるといえる。
5 ○
設問通りである。
詳細解説
1
以下、第4条の第1項を記載する。「国民は、自ら要介護状態となることを予防するため、加齢に伴って生ずる心身の変化を自覚して常に健康の保持増進に努めるとともに、要介護状態となった場合においても、進んでリハビリテーションその他の適切な保健医療サービス及び福祉サービスを利用することにより、その有する能力の維持向上に努めるものとする。」
3
介護保険法第4条を抜粋する。「(省略)要介護状態になったとしても、進んで介護サービスを利用し、各種サービスを利用することで、その有する能力の維持向上に努めるものとする」
5
介護保険第4条の第2項を記載する。「国民は、共同連帯の理念に基づき、介護保険事業に要する費用を公平に負担するものとする。」
介護保険は社会保険に分類される。例えば、民間保険は任意加入であり、介護保険は強制加入となる。そのため、実施主体は保険者(行政機関)であり、給付水準も決められたものとなる。高齢化の進展とともに介護保険は創設されたが、それは第4条にあるように、共同連帯の理念に基いている。現在は40歳以上の方が介護保険に要する費用を負担しているが、あわせて税金も投入されている。